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ハムストリングの肉離れについて

ダッシュした瞬間や急に止まったとき、太ももの裏側に「プチッ」という感覚や激痛が走った経験はありませんか?

それはスポーツ障害の中でも頻度の高い「ハムストリングの肉ばなれ(筋膜・筋繊維の損傷)」かもしれません。

適切な初期対応を行わないとクセになりやすく、再発を繰り返すケースが非常に多いケガです。今回はプロの視点から、ハムストリングの肉ばなれの基本知識と、早期復帰に向けた適切なケア・治療法を分かりやすく解説します

ハムストリングとは、太ももの裏側にある3つの筋肉(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)の総称です。膝を曲げたり、股関節を後ろに引き伸ばしたりする際に重要な役割を果たしています。

なぜ肉ばなれが起きるのか?
肉ばなれは、筋肉が収縮しようと力が入っているタイミングで、強制的に引き伸ばされる力(遠心性収縮)が加わったときに発生します。

特に以下のような場面で頻発します。

・短距離走やサッカーなどのダッシュ時
・急な切り返しやストップ動作
・ジャンプの着地
・柔軟性が不足した状態での前屈動作

2.肉ばなれの重症度(3段階のレベル)
肉ばなれは損傷の程度によって3つのレベルに分類されます

軽度(第1度:微細損傷)

状態: 筋繊維がごく一部伸ばされた状態。
症状: 押すと少し痛む(局所圧痛)、ストレッチすると軽く違和感がある程度。歩行は可能。

目安の復帰期間: 1〜2週間

中等度(第2度:部分断裂)

状態: 筋繊維の一部が断裂している状態。
症状: 歩行時に痛みがあり、自力で膝を曲げるのが難しい。内出血や腫れが見られることが多い。

目安の復帰期間: 1〜2ヶ月

重度(第3度:完全断裂)

状態: 筋肉または腱が完全に断裂している状態。
症状: 激しい激痛があり、自力歩行は不可能。患部に凹み(陥没)が確認でき、著しい内出血が現れる。

目安の復帰期間: 3ヶ月以上(手術が必要になる場合もあります)

3. 発生直後に行うべき応急処置
肉ばなれを起こした直後は、腫れや内部出血を最小限に抑えるための応急処置が非常に重要です。「PRICE(プライス)療法」を迅速に行いましょう。

P(Protect:保護): 患部を安全な場所に移動し、二次被害を防ぐ。
R(Rest:安静): 痛む動作をやめ、体重をかけないように休ませる。
I(Ice:アイシング): 氷のうなどで患部を15〜20分冷却し、炎症と内出血を抑える(1〜2時間に1回程度)。
C(Compression:圧迫): 弾性包帯などで適度に圧迫し、腫れの広がりを防ぐ。
E(Elevation:挙上): 患部を心臓より高い位置に保ち、浮腫みを軽減する。

※発生直後に無理にストレッチをしたり、患部を揉んだりすることは絶対NGです。損傷を悪化させる原因になります。
超音波治療の有用性
 急性期の炎症が落ち着いた後、あるいはリハビリ期において医療機関や整骨院で導入されているのが「超音波治療(超音波療法)」です。肉ばなれの回復において非常に高い効果が期待されています。

① 組織の修復・再生の加速(非温熱効果)
微細な超音波振動(1秒間に数百万回)を患部に当てることで、細胞の透過性が高まり、傷ついた筋繊維の細胞分裂・組織修復が促進されます。これにより、治癒までの期間を大幅に短縮できます。

② 血流改善と痛みの緩和(温熱効果)
超音波の振動が深部の筋肉に伝わることで熱が発生し、深部の微細な血管が拡張します。血流が促進されることで、痛みの原因となる物質が速やかに排出され、痛みの軽減につながります。

③ 筋肉のしこり(瘢痕組織)や硬化の予防
肉ばなれが治る過程で筋繊維が硬い瘢痕(はんこん)組織になり、筋肉の柔軟性が失われることがあります。超音波を照射することで柔軟性を保ちながら修復を進めることができ、復帰後の違和感や「しこり」を防ぎます。

ハムストリングの肉ばなれは、「少し痛むけれど走れるから」と軽視して運動を続けると、慢性化して完治までに余計な時間がかかってしまいます。
 急性期の応急処置はもちろん、超音波治療などの専門的なケアを適切に組み合わせることで、復帰までの期間短縮と再発防止が期待できます。
 痛みや違和感が生じた場合は、自己判断せずに整骨院などの専門機関を受診し、適切な診断とリハビリ指示を受けることを強くおすすめします。

しっかり治して、万全の状態でスポーツを楽しみましょう!

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