
ぎっくり腰を鍼治療で治療できる仕組み
ぎっくり腰は、腰周りに突然起こる激しい痛みの総称です。正式な病名は「急性腰痛症」ですが、欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれています。
本コラムではぎっくり腰の原因や症状をご紹介し、鍼治療が効果的な理由を解説いたします。ぎっくり腰の痛みにお悩みの方や、ぎっくり腰を繰り返している方はぜひご参考ください。
ぎっくり腰とは?
ぎっくり腰とは、突然起こる腰回りの激しい痛みのことです。姿勢を保つことすら困難になることもあり、日常生活や仕事に大きな支障をきたします。重症例では、腰以外の部分を動かしただけで腰に強い痛みが走ることもあります。
原因は、背骨を支える筋肉(脊柱起立筋など)や筋膜の損傷、または腰椎周辺の関節(仙腸関節など)を支える組織の炎症や損傷です。
ぎっくり腰は、日常生活の中のちょっとした動作がきっかけで起こることがほとんどです。洗顔のために洗面台の前で前かがみになったり、車から荷物を下ろすために腰を曲げるだけでも、ぎっくり腰になる場合があります。
股関節を使わずに腰を曲げ伸ばしする人や、ももの後ろ側の筋肉の伸びが乏しい人、お尻の筋肉が緊張しやすい人は、ぎっくり腰になりやすいといわれています。ぎっくり腰を繰り返すうちにヘルニアを併発することもあるため、適切な治療と再発予防が必要です。
ぎっくり腰に鍼治療が効果的な理由
ぎっくり腰に鍼治療が効果的な理由として、過剰に緊張した筋肉をピンポイントで刺激できるという点が挙げられます。鍼治療ではツボを直接刺激できるため、マッサージのように不必要な刺激を与えることなく、効率良く筋肉の過緊張を緩和できます。
また、鍼治療は鎮痛作用や幸福感をもたらすエンドルフィンの放出を促すことも知られています。鍼で痛みとは異なる刺激を与えることで、痛みを鈍感にするゲートコントロール作用も期待できます。
痛みの強い急性期の鍼治療では、委中、金門、腰腿点など、手足にある腰のツボを刺激して痛みの軽減を図ります。直接、腰に鍼を刺すことはほとんどありません。
急性症状が落ち着いた慢性期には、腰の筋肉の緊張をほぐすための鍼治療を行います。当院では、ぎっくり腰再発予防のために、原因となっている姿勢の悪さや生活習慣の改善などを行うケースもあります。
また、当院ではぎっくり腰になってしまった方向けに「ぎっくり腰早期改善コース」もご用意しております。繰り返すぎっくり腰の原因を見定め、根本的に改善していくことも可能です。ぎっくり腰でお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。
- Q1:自宅でできるぎっくり腰の痛みの対処法はありますか?
- A1:まずは無理をせず、安静に過ごすことが大切です。ぎっくり腰になってから48時間程度は、湿布やアイスパックなどで患部を冷やしてください。痛みや炎症を抑える効果が期待できます。痛みが和らいできたら、温めて筋肉をほぐしましょう。
- Q2:ぎっくり腰以外の病気の可能性はありますか?
- A2:脚のしびれや脱力感、発熱、排尿・排便障害などの神経症状がある場合は、ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症も疑われます。速やかに医療機関を受診してください。